宮司愛海アナも驚いた内村航平選手の決断。代表内定後の「言葉」に感じた凄み (4ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

 代表内定後、内村選手の表情はうれしさよりも複雑さが勝るものでした。

「もうね、ダメです」

「米倉選手にすごく申し訳ない。勝ち取るならしっかりいい演技で勝ち取りたかった。嬉しいというより、これでオリンピックに行っていいのかという気持ちです」

 会場内のインタビューで、率直な心情を吐露した内村選手。死に物狂いで目指してきた代表権を掴んだにも関わらず、口から出るのは反省の弁。史上最高の体操選手・内村航平のアスリートとしての凄みを感じました。

東京オリンピック代表内定後にインタビュー 写真:フジテレビ提供東京オリンピック代表内定後にインタビュー 写真:フジテレビ提供

【オリンピックは、「意義とかそういうものではない」】

2019年、悪夢の予選落ち。「オリンピックは夢物語」
それでも、必死で立ち上がり、体操と向き合った日々。「夢物語から夢へ」

2020年、プライドを捨ててスペシャリストへ
「金メダルを取るための道筋を自分は知っている」

2021年、掴みとった夢舞台

 どん底から這いあがり、ジェットコースターのような数年間を過ごした内村選手が、4度目のオリンピックを前に思うこととは。

「意義とか、そういうのじゃないと思うんですよね。オリンピックって。そういうのじゃ語れないかなって。ことばにできない何かがあるとしか言えないんですよね。見てもらって、感じてもらって、いろんな人が胸を熱くして、明日からの原動力になったり、そういうパワーがある舞台。僕らはそれを、演技、パフォーマンスで伝えなきゃいけない」

 リオで見せた、鉄棒の着地。大きな感動を生んだあの瞬間を思い出しました。

「こういう意義がありますっていうんじゃなくて、僕らがいいパフォーマンスをすれば、意義とか意味とかって見えてくるんじゃないですかね」

 内村選手が演技を通して何を伝えてくれるのか。8月3日、東京オリンピック、鉄棒・種目別決勝の日にきっとすべてがわかるはずです。

PROFILE
宮司愛海(みやじ・まなみ)

91年7月29日生まれ。2015年フジテレビ入社。
福岡県出身。血液型:0型。
スポーツニュース番組『S-PARK』のメーンキャスター。
スタジオ内での番組進行だけでなく、
現場に出てさまざまな競技にふれ、
多くのアスリートに話を聞くなど取材者としても積極的に活動。

■フジテレビ系 スポーツニュース番組『S-PARK』
毎週土曜日 24時35分~25時15分
  日曜日 23時15分~24時30分

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