宮司愛海と竹下陽平のゴルフ対談。男子ツアーは「ニューヒーロー」に期待 (2ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

竹下 やってきました、フジサンケイクラシック! この大会も無観客での開催。関係者全員がPCR検査を受けて、厳重体制の中で行なうことにはなりますが、ようやく男子のプレーが見られるし、それを4日間、お伝えできる。今からワクワク感でいっぱいです。

宮司 国内男子ツアーは、昨年の最終戦以来ですから、約9カ月ぶりになりますね。

竹下 年明けにアジアツアーとの合同開催の試合がシンガポールで行なわれているんですけど、国内ツアーの試合としては開幕戦。まさか9月に、開幕戦をやることになるなんてね。例年のフジサンケイクラシックは、シーズン後半戦が始まってすぐの大会になるので、ある程度流れがわかったうえで、取材をして中継ができる。でも、今年はどうなるかわからない。

宮司 伝える側としては、かなりハードルが高い中継ですね。

竹下 高いね。もし知らない若手が出てきたら、視聴者と同じ目線になりますから。

宮司 しかも、フジサンケイクラッシックのコースって、とても難しいですよね。

竹下 名門・富士桜カントリー倶楽部。距離が長くて、「モンスターコース」と言われています。しかもこの大会は、海外メジャーを意識した難しいセッティングにしているんです。やっぱり、日本の男子もメジャーで勝てる選手が誕生してほしいから。

 だから、どんどんバーディーを取ってスコアを伸ばし合うような展開じゃなくて、難しいところからパーをセーブして、バーディーを取れるチャンスは確実に取るっていう、我慢して我慢して......そうやって耐えてきた誰かが、どこかでパーンって抜け出すような展開になると思います。

宮司 距離もあるけど、緻密なアプローチやパッティングなどが勝敗を左右する。

竹下 歴代優勝者を見ても、その年の賞金王になるような選手が優勝しているからね。飛ばすだけじゃなくて、グリーン周りの小技やパットがうまかったり、総合力が高い選手じゃないと勝てない大会だと思います。

宮司 つまり、この大会を見ていれば、ある意味ゴルフのすべてが目にできる。

竹下 すべてが詰まっていると思いますよ。中継の解説は(地上波では)丸山茂樹さんですから、的確に状況を説明してくれると思います。そして、大会のゼネラルプロデューサーであり、コースセッティングを担当するのは、戸張捷(とばり・しょう)さん。

宮司 今回のピンポジションも、戸張さんが......。

竹下 決めています。だから戸張さん、プロから嫌みを言われてしまうんです。「なんですか、あの難しいピンポジションは?」って(笑)。そう言われるくらい難しい。その戸張さんも解説に加わってくれますから、万全の体制です。

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