車椅子ソフトボール日本代表の優勝と、アメリカで感じたバリアフリー (2ページ目)

  • 荒木美晴●構成 text by Araki Miharu
  • 山本雷太●写真 photo by Yamamoto Raita

 車椅子ソフトボールのルールは次のようになっています。選手の障がいの程度によるI~IIIの持ち点制度があります。10人の合計は21点以内で、クラスQ(頸椎損傷など、持ち点は0点)の選手を少なくとも1人入れる必要があります。女子選手(1.5点)や健常者(3点)も参加でき、選手をバランスよく配置することで、この上限21点のチームが成り立ちます。

日本らしいプレースタイルで優勝を果たした車椅子ソフトボール日本代表日本らしいプレースタイルで優勝を果たした車椅子ソフトボール日本代表 この競技のことを知る前は、切断や腹筋が利くなど障がいが軽い選手が活躍するイメージがありました。でも実際はそれだけではなくて、0点や1点の移動するのも大変そうな重度障がいの選手が「ここは俺に任せろよ」とバッターボックスに入って、彼らにしかできない形でチームに貢献するわけです。お客さんもすごく盛り上がっていて、誰もが一緒に楽しんでいる雰囲気が最高でした。

 義足を着けている選手は、競技中は義足を外すため、切断面が見える状態でプレーする選手が多いです。車椅子ソフトボールはパラリンピック競技ではありませんし、正直なところ見慣れない日本人は、その切断している脚を直視しちゃいけないような雰囲気になることもあると思います。でも、アメリカでは会場の近所の子どもたちがどこからともなく集まってきて、とくに障がいを気にすることもなく、「ヘーイ、一緒にキャッチボールしようよ」と声をかけてくるんです。

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