Bリーグ参入2季目ながら存在感を発揮する徳島ガンバロウズ 社長とGMが語る発足の理由とチームづくり秘話 (2ページ目)
多忙な日々を送る臼木郁登社長。自身も徳島県出身 photo by Yasuda Kenji
【ザックGMの招へい】
――ゼネラルマネージャー、ヘッドコーチはどのように招へいしたのですか。
臼木 当初は日本人HCを想定していたのですが、外国人HCのほうがプロチームというインパクトがあると思いまして。そうなると英語が話せるGMも必要ということで、日本バスケットボール協会(JBA)関係者の方を通してザックさんと出会いました。
ザック 私はペンシルベニア大学在学中からMLBの通訳兼広報などをしていました。卒業後はメディアの人間としてトロント(カナダ)のケーブルテレビで制作に関わったり、日本テレビ系列のNFL番組でニューヨーク在住の現地リポーターをしたりしていました。
バスケットボールが本業になったのは、2019年のNBAドラフトで八村塁選手がワシントン・ウィザーズに指名を受けた時で、19年からウィザーズ公式の特派員としてチームメディアのポジションに就きました。
臼木社長に初めて会ったのは22年でしたね。「GMをやってほしい」と言われ、最初はやったこともないし無理だと思いましたが、長年のメディアでの経験と、日本語と英語のバイリンガルであること、コーチと選手をつなぐコミュニケーション力が持ち味であることなど、自分にとって面白いチャレンジだなと思うようになりました。
臼木 ザックさん、実はニューヨークで俳優業をしていた時期もあって、初対面の時は独特な経歴の持ち主だなと思いました。お会いすると、人柄のよさと話しの面白さが好印象でしたね。NBAで各地を回ってきた知見を含め、ザックさんレベルの候補はいないと思いました。アリーナMCやイベントの司会もできるうえに、独自の分析力があることもわかりました。それもNBAではなく、Bリーグの数字を分析して私に話してくれました。
ザック 子どもの頃からチームの編成に興味がありました。アメリカ4大スポーツのNFLやMLBのロースターを見て、なぜこのチームはこの総年俸でこんなチームを作るのだろうかと分析するのが好きでした。そんなことを何十年も続けてアナリティクス・マニアだったので、自分ならもっとコスパよくいいチームが作れる自信もありました。
GMのオファーを受けて編成を考えた時に、チームのエースは外国籍選手なのだから、コミュニケーションさえうまくいけば外国人HCのほうがいいと思いました。
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