渋野日向子が全英連覇に挑む。牙をむく最大の敵は何か?
(写真左から)ネリー・コルダ、畑岡奈紗、渋野日向子、ブルック・ヘンダーソン、コ・ジンヨン Getty Images
7月初旬にR&A(英国ゴルフ協会)から、無観客ながらも全英AIG女子オープン(8月20日~23日/スコットランド)の開催が発表されたときには、世界中の女子ゴルフファンがホッと胸をなで下ろしたことだろう。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、今年2月のアジアシリーズから中断していた米LPGAツアー。再開のスケジュールも二転三転し、この全英AIG女子オープンも開催自体が危ぶまれていた。しかし、厳戒態勢を敷いての開催が決定。女子ゴルフ界にとっては、久しぶりに明るいニュースとなった。
同大会の開催に尽力したR&Aのマーチン・スランバーズ会長はこう語った。
「世界の女子ゴルフ界にとって、全英AIG女子オープンの開催はとても重要なこと。スコットランド政府、開催コースのロイヤル・トゥルーンGCと何度も協議を重ねた結果、安全に開催できると判断した。出場する選手たちのプレーは、世界中のファンを楽しませてくれるだろう」
その世界中のファンの中でも、とりわけ同大会の開催を待ち望んでいたのは、日本のゴルフファンだろう。なにしろ、昨年の大会では、渋野日向子が日本勢として42年ぶりのメジャー制覇を達成。その快挙はいまだ記憶に新しく、彼女が同舞台で再び活躍することを多くのファンが期待しているからだ。
昨年、渋野は4日間を通して爽やかな笑顔を振りまいて、「スマイリング・シンデレラ」と称され、世界中のゴルフファンを魅了。最終日の18番グリーン、あの劇的なウイニングパットの瞬間は、地鳴りのような大歓声に包まれた。
その後、日本国内では"シブコ・フィーバー"が巻き起こり、渋野の一挙一動に大きな関心が寄せられた。そうして、今や日本スポーツ界を代表するヒロインとなった彼女への注目度は一段と増しており、全英AIG女子オープン連覇への期待は膨らむばかりだ。
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