ラグビーW杯の興奮が欧州で再び。「シックス・ネーションズ」が熱い (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by Getty Images

 通算優勝回数は、ウェールズ代表=39回、イングランド代表=38回、フランス代表=25回、アイルランド代表=23回、スコットランド代表=22回、イタリア代表=0回。ただ、2019年はウェールズ代表、2018年はアイルランド代表、2017年と2016年はイングランド代表が連覇しているように、過去9年を振り返るとイングランド代表、ウェールズ代表、アイルランド代表のいずれかが優勝している。

 当然、今年もこの「3強」が優勝争いを演じると予想されている。優勝候補の筆頭は、昨年グランドスラムで最多通算39度目の栄冠に輝いた「レッド・ドラゴン」ウェールズ代表だ。

 12シーズンも指揮を執ってきたニュージーランド出身のウォーレン・ガットランドHC(ヘッドコーチ)がW杯終了後に退任し、ウェールズのプロクラブ「スカーレッツ」でHCを務めていたニュージーランド出身のウェイン・ピヴァックが新たに指揮官に就任した。ただ、FWとBKが接点で愚直に仕事をするチームカラーは変わらないだろう。

 昨年の大会MVPで、ウェールズ代表最多134キャップを誇るキャプテンLO(ロック)アラン=ウィン・ジョーンズ、W杯で7トライを挙げたWTB(ウィング)ジョシュ・アダムス、大型WTBジョージ・ノースなど、主力選手は今大会も出場する予定だ。ケガ人が多いことは心配の種だが、逆に若手が活躍する可能性も大きい。

 今年のウェールズ代表は、3試合をホームで戦える。カーディフの「プリンシパリティ・スタジアム」での大声援は、選手にとって心強いだろう。ただ、強敵のイングランド代表とアイルランド代表との試合がアウェーとなるため、その2戦が優勝のカギを握りそうだ。

 そのウェールズ代表と優勝を争うのは、昨年のシックス・ネーションズ2位のイングランド代表だ。元日本代表指揮官のエディー・ジョーンズがHC就任後、2016年と2017年に連覇を果たしている。

 W杯で活躍した選手たちも、リベンジのために顔を揃えるだろう。昨年の大会で59得点をマークして得点王に輝いた司令塔SO(スタンドオフ)/CTB(センター)オーウェン・ファレルを筆頭に、LO(ロック)マロ・イトジェ、FL(フランカー)トム・カリー、FLサム・アンダーヒル、そして6トライを挙げてトライ王となったWTBジョニー・メイなど、選手層の厚さは優勝候補にふさわしい。

 得意のセットプレーを軸に、展開力のあるBKでトライを取り切るラグビーも健在だ。3年ぶりにタイトル奪取し、ウェールズ代表とならぶ39回目の優勝となるか。

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