巨人・高梨雄平は「呪術廻戦」の東堂葵に憧れと共感。チームメイトの「ブラザー」には喜びと焦りを感じた (2ページ目)

  • Text by Sportiva

【東堂の焦りに「わかるなぁ」】

―― 一方の東堂についてはいかがですか?

「狗巻はキャラクターとして好き、という感じなんですが、東堂は『こう生きたいな』という憧れのようなものがあります。具体的なシーンで言うと、初登場で伏黒 恵(ふしぐろ・めぐみ)と戦う前のシーンもそうでしたが、いの一番に『どんな女がタイプだ』と聞きますよね? それで自分から『身長(タッパ)と尻(ケツ)がデカイ女がタイプです』と名乗る。あれで心を掴まれました。

 日本人は積極的に自己紹介をする文化がないですし、言いたいことを言えないところがあります。好きなタイプも、伏黒が答えた『揺るがない人間性』といったあいまいな言葉を使いがちですよね。そういうものをすべてぶっ壊す感じが『すごい』と思います。自分もそうなりたいですし、そんな男が友達にいても面白いでしょうね」

――「友達」ということでいうと、東堂は主人公の虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)を「親友(ベストフレンド/マイベストフレンド)」「ブラザー」と呼んでいますね。

「あの関係はいいですね。(呪術高専の)東京校と京都校の交流会で、東堂は虎杖と戦いながらも成長を促していき、ふたりに友情が生まれる。その時は東堂が"先生"のような立場でしたが、のちに、虎杖に置いていかれるような焦りも感じるようになりますよね。そういった部分は、僕も野球をしていて共感するところがあります」

――たとえばどんなところですか?

「僕は2020年のシーズン途中で楽天から巨人に移籍して、そこから多く登板機会をいただいて結果も出すことができました(防御率1.93、21ホールド2セーブ)。同時に、同じ左投手でサイドスローに転向したばかりの大江竜聖にいろいろアドバイスをしたんです。それによって大江が成長することが、最初は単純にうれしかったんですよ。

 でも、今年は僕の調子があまりよくなくて(防御率3.69、20ホールド1セーブ)、うまくいっていない時に大江が活躍している姿を見ると、素直に喜べない自分がいました。同じタイプのピッチャーですからなおさらです。だから東堂が焦りを抱く部分は『わかるなぁ』と思いましたね」

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