金じゃなくても大きな意味のある男子200m平泳ぎ「ダブル表彰台」 (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao

 今回はメダルを獲れたけれど、冷静にみればチュプコフだけではなく、リオ五輪優勝のデミトリー・バランディン(カザフスタン)や15年世界選手権優勝のマルコ・コッホ(ドイツ)もいるし、100m2位のケビン・コーデス(アメリカ)も余裕で7秒台を出す選手なので、それらの選手と互いに最高の本調子で戦った時に、自分の本当の力がわかるのではないでしょうか」

 だが、金メダルには届かなかったとはいえ、このメダル獲得はふたりにとっては大きな意味を持つ。小関は、前回の世界選手権200mで準決勝でトップ通過しながらも、決勝では5位に沈むなど、100mも含めて大舞台で実力を発揮できていないというジレンマがあった。また、リオの準決勝では五輪新を出しながら決勝では6位だった渡辺も、本番で力を出せないのではという気持ちが生まれかけていた。

 そんなふたりにとって、今回のメダル獲得は不安を払拭できるものになり、これから前に進むための大きな力になる。そしてその先には、お家芸復活への道が続いている。

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