金じゃなくても大きな意味のある男子200m平泳ぎ「ダブル表彰台」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao

 だが、午後の準決勝になるとその泳ぎが一変。予選を2分08秒98で泳いだロス・マードック(イギリス)を相手に、最初の50mは最速の28秒56で入る積極的な泳ぎを見せ、マードックに0秒02遅れるだけの2分07秒80で決勝進出を決めた。

 一方、渡辺も予選後、「予選は最近取り組んでいる前半からいくレースができてよかったので、準決勝は後半の持ち味を生かすレースをしたい」と話していたように、準決勝では50mから150mまで、ストローク数を15と16に抑えた大きな泳ぎを見せる。そして100m通過は予選より0秒03遅いながらも、そこから徐々にスピードを上げて2分07秒44の、全体2位通過で決勝へ。

「予選は掻き数が少し多かったので、準決勝は落ち着いてローストロークで泳ぎたいという意識がありました。自分の感覚以上にタイムがよくて、タッチしたあとでびっくりしました。思っている感覚以上のタイムで泳げているということに自信を持っていいし、最後は隣のチュプコフに少し競り負けたけど、彼はユース五輪の時から一緒に泳いでいる同い年の選手なので負ける気はありません」(渡辺)

 注目の決勝で、レースの先手を取ったのは小関だった。準決勝と同じような力みのない泳ぎで、最初の50mを先行すると、100m通過は準決勝よりわずかに遅いだけの1分01秒19で、2番手に続く渡辺に0秒36差をつけた。だがそこからの50mを33秒32までラップを落とすと、今度は32秒91で泳いだ渡辺が0秒05先行する展開になった。

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