【世界水泳】瀬戸大也と萩野公介。金メダルが生んだ黄金世代のライバル物語 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 その翌日の200m自由形は、準決勝を1分46秒87で泳いで3位通過。「決勝で1分45秒台を出せばけっこういいところへいくと思う。もしかしたらチャンスがあるかもしれないので頑張りたい」と、連続メダル獲得への期待を抱かせた。だが決勝は「最初から攻めていって、最後の50mでどれだけメダルラインに食いついていけるかが勝負のポイントだった。そこは作戦通りにいったが、最後の50mが0秒3遅かった」というように、1分45秒94で5位という結果だった。

 それでも萩野は「隣の選手とのパワーの違いに焦る部分はあったが、200mでもやれることがわかった」と自信を持った。

 一方、背泳ぎは得意種目のひとつでメダル圏内にいるという意識もあったのか、100mでは「前半の力みを最後まで引っ張ってしまった」と7位に。200mは「まだスピードの泳ぎが出来ていなかったので、テンポを上げた時に、手で水のキャッチやフィニッシュが出来ていなかったというのがあった」と、流れに乗り切れず5位に止まった。

 だがその間にあった200m個人メドレーでは、ライアン・ロクテには及ばなかったが、ライバルと目していたティアゴ・ペレイラ(ブラジル)を最後の自由形で追い込み、0秒01差で交わして銀メダルを獲得と、またしても最後の勝負強さを見せつけたのだ。

「今大会で痛感しているのは最初の50mや、50mから100mにかけてなど、全体的にスピードが足りないということでした。だから200m個人メドレーのメダルを獲れたということは自分の中で価値があるものだし、これを400mへつなげていけばいいと思います」と萩野は手応えを口にした。そして平井コーチも「本人は200m自由形をやったことで、しきりに200m個人メドレーの最後のクロールと自由形のレースではスピード感が違うと言うんです。200m自由形に比べてスピードが遅いからまだまだいけると。だからいろいろな種目にチャレンジすれば、自分の得意なところに応用できるというのをわかったんだと思うんです」と話し、400m個人メドレーへの期待を高めていた。

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