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【大学駅伝】15年ぶりの箱根駅伝優勝を狙う早稲田大の強力ルーキー 佐々木哲は三大駅伝で飛躍を誓う (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文・写真 text & photo by Wada Satoshi

【鈴木、佐々木だけではない! 強力ルーキーの顔ぶれ】

早実出身の山田はスピード型だが、長い距離にも対応できる photo by Wada Satoshi早実出身の山田はスピード型だが、長い距離にも対応できる photo by Wada Satoshi 今季の早大のルーキーは、この世代をリードしてきた鈴木と佐々木にばかり注目が集まるが、実はこのふたりのほかにも力のある選手がそろっている。

 鈴木、佐々木とともにスポーツ推薦で合格した兵庫・須磨学園高出身の堀野正太は5000mの自己記録が14分08秒70で、駅伝の実績が抜群。高校2年時の全国高校駅伝や全国都道府県対抗駅伝では区間一ケタの走りを見せている。高3時にケガがありスロースタートとなったが、5月3日のTokyo : Speed : Raceでは5kmで14分05秒の自己記録をマークし、調子を上げてきている。

 また、早稲田実業高から入学した山田晃央は、スピードが持ち味で、関東インカレ等でさっそく1500mの対校選手として臙脂デビューを果たしている。5000mも14分08秒20の自己記録を持ち、東京都高校駅伝で1区(10km)区間賞に輝くなど長い距離にも対応できる。

 指定校推薦で入学した京都・洛北高出身の多田真も"駅伝力"のある選手。5000mの自己記録は14分26秒60だが、高3の京都府高校駅伝では4区区間賞の活躍で、洛南高の三宅悠斗(現・中大)に勝利している。近畿大会でも4区2位と好走した。

 そのほか、一般入試で、5000m14分25秒51の冨田拓臣(茨城・水城高)、5000m14分30秒93の神先強志(東京・駒大高)が入学した。

「私が見てきた4年間でも一番レベルが高い。他大学からもたぶん声がかかっていたと思いますが、そういう選手が一般入試とか指定校推薦を受験して来てくれたのは大きいですね」とは花田監督。早大の長距離部門のスポーツ推薦入学者は例年3人程度と他大学に比べて圧倒的に少ないが、今季は例年以上に新戦力が充実している。

「琉胤や哲は、今から『世界を目指す』と言っているので、自分もそこに加わっていけるように頑張りたい。ふたりに引っ張られて、自分たちもシーズンベスト、パーソナルベストが少しずつ出ている。みんなが強くなれるような流れにしたいと思っています」

 山田がこう話すように、鈴木や佐々木の活躍には、ほかの1年生も刺激を受けているようだ。

 早大は、大学駅伝三冠を成し遂げた2010年度を最後に三大駅伝の優勝から遠ざかっているが、今季は久々に好機といえそうだ。駅伝主将で箱根駅伝では2年連続で花の2区を担った山口智規(4年)、今年の箱根駅伝の山上りで活躍した工藤慎作(3年)、エース格に成長を遂げた山口竣平(2年)と各学年に核となる選手がおり、さらに強力な新戦力も加わった。花田監督も「箱根駅伝の総合優勝を目指す」と口にしており、今季の駅伝シーズンは、臙脂旋風が巻き起こりそうな予感がある。

著者プロフィール

  • 和田悟志

    和田悟志 (わだ・さとし)

    1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDoスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。

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