【箱根駅伝2025予選会】中央大がエース級を欠いても6位通過 藤原正和監督も「地力は上がっている」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【力があっても通るわけではないのが予選会】

 テレビ中継の画面では中大の選手たちは目立たなかったが、10kmと15km通過の10人の合計タイムはともに4位で、17.5kmは5位。だが、白川が全体17位、岡田が同24位でゴールテープを切ったあと、阿部陽樹(4年)、原田望睦(1年)、佐藤大介(1年)が36~47位で入ったが、それ以降は100位台でのゴール。立教大を先頭に他校の10人目の選手が次々とゴールするなか、中大の10人目は218位の伊東夢翔(3年)で、10人目がゴールした11番目のチームとなった。

「予選通過は大丈夫だと思っていましたけど、やっぱり最後の10人目がゴールするまでは怖いですよね(笑)。今回、留学生のいるチームが今回けっこう上に来ているのは、そこで1~2分稼いでいる部分が大きいと思う。我々にはそれがなかった分、日本人エースふたりがしっかりと稼いでくれたところは大きかった。最終ラインのところではチーム10番手の伊東がなんとか粘ってきてくれたので6位通過に落ち着いてくれたが、我々と同じぐらいの戦力を持っていた東海大が落ちたりしているので、もっと後ろというのも十分にありえたと思います。

 予選会を知らない選手たちがほとんどでその雰囲気を伝えるのが難しかったけど、絶対に力があるから通るっていう戦いではないことはよくわかってくれたのではないかと思います。いただいたチャンスを生かせるように、本戦は頑張りたいですね」

 1位立大の予選通過記録(10時間52分36秒)は昨年の25位相当だったように、暑熱の厳しい過酷な条件のレースとなるなか、思惑どおりの結果を残せたことに、藤原監督は「地力は上がっている」と納得の表情を見せる。

「本戦へ向けては離脱していた溜池と柴田のふたりが戻ってくるところが我々にとっては一番心強いところでもあるし、ここで迷惑かけている分、彼らに奮起してもらわないと困るので、また全員でしっかりと鍛え上げていきたいと思います。

 まずは全日本大学駅伝(11月3日)ですが、今日のダメージがどれぐらい残るかによるので、そのマネジメントにかかっていると思います。ただ、今日走ってない浦田、本間、吉居の区間配置によっては、面白いレースができるのではないかなと思っています。

 全日本は去年が4位なのでできれば下げたくないが、この状況なので5番以内を狙っていきたい。そこを通過して、箱根では3位以内を狙っていきたいと思います」

 駒を落としながらも着実に予選会通過を果たした中大。箱根本戦へ向けて、その存在感を強くアピールする走りになった。

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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