「箱根駅伝は中央大の優勝もありえる」識者3人がトップ10の順位を予想 優勝争い、山の対決、シード権争いも分析した (3ページ目)

【青学大の調整能力の高さは無視できない】

■折山淑美(スポーツライター)

1位 駒澤大
2位 青山学院大
3位 國學院大
4位 中央大
5位 城西大
6位 創価大
7位 早稲田大
8位 順天堂大
9位 大東文化大
10位 東洋大

 出雲と全日本で隙のない駅伝を見せ、圧勝した駒大の優勝は間違いないだろう。1万mの記録がそのまま通用するわけではないが、初挑戦の1万mで27分28秒50を出した佐藤圭汰は、高校時代から駅伝でも「打倒・留学生ランナー」に挑む積極的なレースを繰り返していた。また、27分38秒66のタイムを持つ篠原倖太郎も、27分台を出す前にハーフマラソンで日本学生記録の1時間00分11秒を出している。ともに実力も裏づけされた記録だ。

 この2人は確実に勝ちきる走りができ、流れを変えられる能力を持っている。さらに他の選手たちも勝つことに慣れて自信を持っているだけに、よほどのことがない限りは自分たちのレースをするはずだ。

 それに対抗する一番手は青学大だろうが、何年かで作り上げてきた「チームとしての調整能力の高さ」は無視することができない大きな武器だ。前回は6区が大誤算で駒大に5分01秒差をつけられたのが敗因になったが、それがなければ接戦を演じていた。そのチームから4年生7名が抜けたが、チーム作りの伝統は今年も受け継がれている。

 國學院大は1、2年生の勢いに注目する。現状では下級生が半数を超えるオーダーになりそうだが、ここで結果を出せればエースの平林清澄と山本歩夢が4年生になる来年は駒大に対抗できるチームになりそう。

 中大は前回大会で2位になったが、2区・吉居大和の田澤廉とのデッドヒートと競り勝った結果があったからこその結果だった。今回も2区でエースの吉居が、チーム全体を燃え上がらせる状況を作り出せるかがカギになるだろう。

 その上位4校に加え、シード権獲得校も含めた注目区間となるのは5区。距離が20.8㎞になって以来、23km超の時代よりタイム差は小さくなったが、シード権獲得争いとなると重要なポイントになる。今回はその"山"に期待できる有力選手も多く、前回の区間記録更新に続き、1時間10分切りへの機運は高まってきている。

 そのターゲットは、5区が20.9kmだった2005年に今井正人(当時・順大)が記録した1時間09分12秒の記録。シューズ改良などで有利な状況になっている今、まずはその記録にどこまで迫れるかに期待したい。

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