駒澤大は「1万mのタイム=箱根駅伝の成績ではないけど、手がつけられない」 コマスポ×中スポの大学生記者が各大学の戦力を語り合う (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • 岡庭璃子●撮影 photo by Okaniwa Rico

【駒大の選手層の厚さに「正直やばい」】

ーー11月25日の八王子ロングディスタンスには、両校とも主力が出場し、好記録が続出しました。

大塩 びっくりしました。レースが終わってファンが競技場にたくさん入ってきて選手を囲んでいて、必死に取材をしようとしていたら、「佐藤圭汰(2年)がU20日本記録(27分28秒50)だ」っていう声が聞こえてきました。初めての1万mで27分台というのもすごいのに、27分30秒を切ってU20日本記録ですから。しかも、日本歴代のトップ10にも入っている。

 すごい瞬間に立ち会ったんだな、としみじみ思いました。大八木弘明総監督は27分40秒ぐらいだと思っていたみたいなので、総監督の想像を超える走りでした。しかも、鈴木芽吹選手(4年)と篠原倖太朗選手(4年)も日本人学生歴代トップ5入りですからね。これは来たな、って思いました。

この記事に関連する写真を見る遠藤 正直やばいなって思いましたよ。「1万mのタイム=箱根の成績」ではないのはわかっているのですが、本当に手がつけられない状態になってきた。箱根のメンバーに27分台が3人いること自体がすごいことですが、他大には今まで以上にプレッシャーになると思います。もし3人が往路に起用されたら、王者は連覇に向けてガンガン突き進むのでは......。

 中大は、吉居大和選手と中野選手が八王子に出ていました。中野選手は途中で差し込みがあっても、あのタイム(28分25秒70)でまとめられたのはよかった。大和選手は一応、自己ベスト(28分01秒02)でした。走り終わったあとも余裕があったので27分台も出せたと思います。でも、記録を狙うのだったら駒大の3人についていくレースをしたはずなので、そういう点からも調整の一環で出場したレースだったはず。いいイメージを持って箱根に臨めるのではないでしょうか。

 駒大はハーフマラソンでも強かったですね。たとえば、63分台であれば、他の大学だったら「これで箱根のメンバーに入れる」と喜んでコメントをしているのに、駒大だと「やらかしてしまった」っていうコメントになる。上尾ハーフでは62分台が続出したのに、全然満足していないんですよね。これはちょっと考えられない。

この記事に関連する写真を見る大塩 そうなんです。上尾ハーフは、コマスポの校了日で私は行けなかったので、先輩に行ってもらったんですけど、グループLINEで共有されてきた藤田敦史監督のコメントも、勝ちきれなかったことに対して刺々しいものでした。

 庭瀬俊輝選手(3年)は転倒して血を流しながら走って8位入賞しました。そのひとつ前の7位には白鳥哲汰選手(4年)が入りましたが、「監督をニューヨークに連れていけませんでした」(※上尾ハーフで日本人1位、2位がニューヨークシティハーフマラソンに派遣される)と話していました。選手たちもやっぱり頂点を狙っていたんですよね。

 それでも、白鳥選手、庭瀬選手、安原太陽選手(4年)、花尾恭輔選手(4年)に続き、1年の小山翔也選手も初ハーフでぎりぎり62分台。全日本1区の赤津勇進選手(4年)が差し込み(脇腹の痛み)などがあって67分かかりましたけど、ここでちゃんと記録を残した選手たちが箱根のメンバーに入ってきました。唐澤選手が66分かかった一方で、花尾選手が復活したのも印象的でした。

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