箱根に戻ってきた中央学院大 エース吉田礼志の2区を軸に「小細工なし」の真っ向勝負でシード権を狙う (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • スポニチ/アフロ●写真

 また、それに続く日本人集団のなかで走った伊藤秀虎(4年)は1時間02分32秒で27位。他の選手たちは、最初の5kmを14分50秒ほどで入った2人と、15分10秒で入った3人、15分15秒で入った5人という形で、チーム内3位から6位までは1時間3分台で走った。

 今回はスピード型というより距離型の選手を優先して使ったと川崎監督は言い、「うちは距離走が少し弱いと感じたので、学生とも話して距離を重視してやってきました。それで力がついたかどうかはわからないけど、後半が伸びないという面では、まだ(箱根で)戦うレベルにはきてないという感じはします」と現時点での戦力を分析する。

 だが本戦を考えると、吉田が2区を走れるというのは大きな戦力になる。本人も今回「留学生と対等に渡り合えなければ、2区では戦えない」という気持ちで走ったと振り返る。

「今年の箱根駅伝はチーム全員で見に行きました。自分は2区を見に行って、『やっぱり悔しいな』と思ったので、今年は自分が走りでチームを引っ張っていくという気持ちになりました」(吉田)

 その箱根を走れない悔しさが、昨年12月の中央学院大初の1万m27分台となる27分58秒60や、今年2月の丸亀ハーフの快走につながった。今回も「1時間01分15秒を狙っていたので最低限の走り」と厳しい自己評価をするが、1年の時に続く2度目の2区は「1時間6分台で走って区間5位以内」という目標を持つ。

 本戦を睨めば、「課題は1区でどういう流れを作れるか」と川崎監督は言う。総合16位に終わった2022年は、1区に予選会で日本人1位になったエースの栗原敬吾(当時4年)を起用して吉田につないだが、想定外の大ブレーキで1位から4分以上遅れる区間最下位で、手の打ちようがなかった。

「1区が頑張ってくれれば、2区は吉田がそこそこ走ってくれると思います。山はある程度候補はいるので、なんとか出だしでうまくいけばと思う」

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