神野大地マラソン人生の第2章がスタート。新コーチは元五輪ランナー (6ページ目)
すでに藤原は、神野にマッチする強化方針を固めている。
「2パターンあると思うんです。ひとつは長く遅い距離走と短くて速いインターバル走を組み合わせながら、ピンポイントでレースに合わせていくやり方。もうひとつは、日々の練習でできるだけレースに近い負荷をかけていくやり方。
結果を確実に求めるなら後者です。そして故障のリスクが高く、身体的にきついのも後者です。だけど、神野くんは今までのマラソン経験のなかでタフなことはわかっていますし、勝つための次のステップとして後者のパターンを軸にしたトレーニングに挑戦してほしい」
藤原コーチに指導を受けるようになってから、神野は1週間で走る量が20〜30キロ増えた。ダッシュ系の練習、速いペースでのジョグ、100mの全力疾走を数本入れるなど、これまでとは違うメニューをこなしている。コロナ禍で直接練習を見てもらうことは実現していないが、藤原は「夏には一緒に練習して、走りとか全般をチェックしたいですね」と語る。
藤原は、目標をどこに置いているのだろうか。
「僕のイメージとしては2時間8分台。でも、7分台も可能だと思っています。神野くんはこれから自分の走りをマラソンに適応させていく必要がある。キロ3分ペースは彼にとって速いペースではないと思うので、そのペースを体に慣れさせていく。マラソンに特化した体づくりと走りができれば、タイムは伸びていくと思います」
藤原は自信に満ちた表情でそう言った。
2017年4月から東京五輪でマラソンを走ることを目標にしてスタートし、今年3月の東京マラソンでその挑戦が終わった。いま、神野はどう感じているのだろうか。
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