箱根優勝へ駒澤大のカギを握る田澤廉。主力選手の区間配置も考えた (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 区間配置を見れば、全日本の1区で区間2位だった中村大聖が1区を希望しているが、1区には他の選手を起用して、山下、田澤とともに2~4区というのが、大八木監督が往路優勝を狙える配置と考えているところだ。「田澤を相澤にぶつけたい気持ちもあるが、エースとして育っていくためにも、(区間賞を狙える区間を走って)1年から区間賞を獲得して欲しい」という思いもある。

 順当にいくなら、2区と3区は前回も経験している山下と中村大聖を並べ、今では主要区間になっている4区に田澤を起用して勝負させ、今年3月の日本学生ハーフでは1時間02分47秒の自己新を出し、5000mも自己記録を更新している伊東颯汰(3年)を5区で起用するという形になるだろう。

 1区は箱根初出場になる小林も希望している。彼も今年は5000mの自己記録を14分02秒21に伸ばし、出雲は4区を区間3位で全日本は2区で区間5位と結果を出し、さらにその後の上尾ハーフでも、1時間02分25秒の自己ベストと力を伸ばしている。本人も「ラストスパートに自信はないですが、粘るのは得意だし、途中の小刻みなペース変化に対応するのは得意。粘り切って先頭と10秒差以内でつなぎます」と自信を持っている。

 大八木監督も「1区は重要になるが、ハーフを1時間2分台そこそこで行ける選手なら、たぶん行けるんじゃないかなという気持ちはある」と言うように、小林は条件を満たしている。最初がうまく流れれば、4区の田澤勝負で往路3位以内というのも射程圏内に入りそうだ。

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