東海大の「学生駅伝3冠」に暗雲。
期待のエースたちがまさかの不調だ (3ページ目)
両角監督の厳しい視線は選手たちだけに向けられているわけではない。他大学の動向についても詳細なチェックを行なっている。秋の駅伝シーズンまではまだ時間はあるが、トラックシーズンの出来は駅伝に影響する。
今回、法政大は1部1万m3位の佐藤敏也(4年)以外にも、1部ハーフで坪井彗(4年)が9位に入り、1部3000SCでは青木涼真(4年)が2位、田辺佑典(3年)が4位、人見昂誠(2年)が5位に入った。
国学院大は2部ハーフで土方英和(4年)が初優勝。また浦野雄平(4年)は2部5000mで6位、2部1万mで4位と強化が進んでおり、来年の箱根への期待が大きく膨らんだ。
一方で最大のライバルである青山学院大は、2部ハーフで吉田祐也(4年)が4位、竹石尚人(4年)が8位、2部1500mで谷野航平(4年)が2位に入った以外、5000m、1万mともに入賞者ゼロと、やや低調な結果に終わった。
それにしても、東海大にとって5000mと1万mともに入賞者ゼロは想定外だった。5000mは全体の持ちタイムでいえば、關が2位、鬼塚が4位だった。強力なライバルである東洋大の相澤晃(4年)、法政大・佐藤らがいたが、スタート直後は西川が留学生に次いで2番手をキープするなど、積極的なレースを見せた。2000mでは留学生プラス、相澤、佐藤、鬼塚が競っていた。だが、3000mを超えると鬼塚が出遅れ、結局、8位入賞を逃してしまった。
このレースに合わせて調整してきた關は、レース後、次のように語った。
「余裕はあるんですけど、体が動かないというか、動かせない......練習もしっかりと積んできているんですが、なんだかなぁという感じです」
1万mにも出場し、2つのレースで結果を出せなかった鬼塚は、關とともに両角監督とかなり長い時間話していた。
秋の駅伝シーズンに向けて、鬼塚と關の復調は非常に大きなポイントになる。とりわけ關は故障が続いたこともあるが、2年連続で箱根を走れていない。エースと呼ばれる彼らの復調なくして、今シーズンの目標である「学生駅伝3冠」を達成するのは難しい。それだけに両角監督は、鬼塚と關の走りに大きな期待を寄せていたが、結果を残すことはできなかった。
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