2019.01.02

首位・東洋大と1分14秒差。
東海大が悲願の箱根初優勝へ視界良好

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News,Kishimoto Tsutomu/PICSPORT/AJPS

東海大・駅伝戦記 第41回

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「おっしゃー」

 5区の西田壮志(2年)が雄叫びを上げて、フィニッシュラインを切った。鬼塚翔太(3年)が笑顔で、快走した西田を抱きかかえる。

 西田は東洋大と2分48秒差あったタイムをジワジワと縮め、1分14秒差の2位で山を駆け抜けた。

「今年は区間配置がばっちりとハマりましたね」

 両角速(もろずみ・はやし)監督は笑顔でそう言った。

往路を2位でゴールした東海大の5区・西田壮志 東海大にとって今回の箱根駅伝で難しい選択を迫られたのは2区、そしてもっとも重視していたのが4区だった。2区候補の阪口竜平が夏に故障し、11月に復帰したがタフな2区を走れるメドが立たなかった。そこで白羽の矢が立ったのが、湯澤舜(4年)だった。

「全日本大学駅伝が終わってからすぐに2区って監督に言われました。その時から2区をイメージして準備をしてきましたし、実際走る前はプレッシャーがあったんですけど、しっかりと青学を追っていくという走りができてよかったです」

 湯澤は、すぐに前を行く青学大の梶谷瑠哉(りゅうや/4年)に追いつき、法政大の坂東悠汰(4年)と3人で並走した。湯澤に焦りはまったくなく、上りの厳しい権田坂も「まったく問題がなかった」と言う。

 21キロ手前で粘った湯澤は、そのまま5位で3区の西川雄一朗(3年)に襷を渡した。トップの国士舘大から41秒差だったが、この2区で大きく出遅れることなくレースを作った湯澤の貢献度は非常に大きかった。

 西川は、青学大の森田歩希(ほまれ/4年)に抜かれはしたが、トップの青学大に1分12秒差の4位で、4区の館澤亨次(たてざわ・りょうじ/3年)につないだ。

 4区は戦前、両角監督がもっとも重視していた区間だ。

 昨年も含めて4区は鬼門になっていたので今年、両角監督はこの区間に一番信頼のおける、走れる選手を起用すると言っていた。それが東海大屈指の「駅伝男」の館澤だった。その館澤の起用がピタリとハマり、トップの東洋大に2分48秒差ながら2位となる快走を見せたのだ。

「湯澤、館澤と重要な区間を任された選手が仕事をしてくれた。これが最終的に西田の走りにもつながって行ったと思います」