2018.12.04

自分専用ドリンクや練習の改善。
服部勇馬の探究心が生んだ強い走り

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kishimoto Tsutomu/PICSPORT

 12月2日の福岡国際マラソン。4回目のマラソンだった服部勇馬(トヨタ自動車)が見せたのは”強い走り”だった。

 東洋大学4年生のときに初マラソンとして出場した2016年東京マラソンは、30~35kmまでを14分54秒に上げて35km過ぎには日本人トップに立ったものの、37km付近からの大失速で2時間11分46秒の12位(日本人4位)。

日本歴代8位に入る快走でMGC出場を決めた服部勇馬 昨年の東京マラソンも35kmまではいい走りをしていたが、35kmからの5kmで16分07秒と失速し、2時間09分46秒で13位(日本人4位)に終わっていた。ともに35kmを過ぎてからの失速だった。

 今大会は、ペースメーカーが離れた32kmあたりからイエマネ・ツェガエ(エチオピア)やアマヌエル・メセル(エリトリア)と3人になったが、彼らの前を走っているときは「まだちょっとビビッていました」と振り返る。

「30kmになる手前のまだ10人で走っていたときも、みんなきつそうで、(前に)行ってもいいかなと思ったんですが、せっかくここまで来たからには優勝を狙いたいという思いの方が強かった。しっかり自分が行けるところまでいってから仕掛けようと思っていました」

 そして、36kmの給水から外国勢のふたりを離し始めると、強い走りを見せた。

「あまりスパートをしたという意識はないですが、気づいたら後ろが離れていたので『ここはいってもいいのかな』と思って。特にスパートというよりは、少しリズムを変えて走ろうかなという感じだった」と言う。

 それでもそのあとの走りは、1kmごとのペースを2分54秒、2分53秒と上げて、独走態勢に入った。そしての40kmまでの5kmを14分40秒で走って2位に上がったツェガエとの差を54秒に広げると、ラスト2.195kmも1km3分ペースを維持して6分35秒でカバー。2位との差を広げて日本歴代8位となる2時間07分27秒でゴールして、この大会日本勢としては14年ぶりの優勝を果たした。