「長距離5冠」の第1弾を制しても、東海大が浮かぬ表情なのはなぜか? (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Osada Yohei/AFLO SPORT

「ポイントを取れてホッとしました。自分たち主力が1万mと5000mを走らせてもらっているなか、1万mはポイントを取れずに終わっていたので、5000mは何がなんでもチームに貢献する走りをしたいと思っていました。ただ、自分が4番に入って最低限のポイントが取れたんですが、主力としては全然ですからね。3人がしっかり走れなかったのはプレッシャーに負けてしまったからだと思うし、それが東海の弱さでもある。これから主力の自覚を持って、3人でがんばっていきたいです」

 鬼塚はそう言って、また悔しそうな表情を見せた。

 この日、ハーフマラソンで14点、5000mで5点を獲得し、長距離5種目の合計が41点。2位の山梨学院大(22点)に大差をつけて東海大は1位で大会を終了した。

「まぁ、最初はどうなることかと思いましたが、とりあえずひとつ取れてホッとしましたね」

 両角監督は少し表情を緩めた。

 まずは1冠となったが、チーム状態を見ていると、喜んでばかりはいられない状況だ。關は故障明けのレースで本調子にはほど遠く、阪口も「まだ足が......」ともう少し時間がかかりそうだ。鬼塚、そしてキャプテンの湊谷春紀(4年)も今ひとつ乗り切れない。

「現状は、昨年比の50%ぐらいの出来ですね」

 西出コーチは厳しい表情で、そう言った。

「昨年の今ごろは選手の足並みがだいぶ揃ってきたんですが、今年はそのレベルにはいっていないです。箱根で負けた悔しさがあり、今年は箱根でしっかりと戦おうとトレーニングをやっていくなかで故障者が出て、ようやく回復してきた感じですね。

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