V2狙う青学大vs出雲Vの東海大。全日本の勝負ポイントを徹底分析 (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News

 2強のエントリーで最大の"サプライズ"は、昨年の東京マラソンで2時間11分34秒をマークした青学大・下田裕太が5区に配置されたことだ。2年前に区間賞を獲得した区間とはいえ、最終8区での起用が有力視されていただけに、下田が万全な状態ではないことが考えられる。ちなみに、3日の監督記者会見で、青学大・原晋監督は「(当日変更で)3人替える」と話している。

 両校とも選手層が厚く、距離が12km前後の5~7区の戦力に大差はない。最終8区の走力も拮抗している。実力差がほとんどない場合、有利になるのは"逃げるチーム"だ。追いかける側はオーバーペースになりがちで、前半に差を詰めたとしても、終盤に引き離されてしまうことが多い。

 一昨年は、V候補だった青学大を東洋大が下して初優勝を飾ったが、4区終了時での8秒のリードが結果的に"大きなアドバンテージ"になった。青学大vs東海大の勝負のポイントはズバリ、4区終了時でどちらがトップにいるかだ。

 そこで、1~4区までのマッチアップを予想してみたい。まずは1区。青学大は中村祐紀を入れているが、爆発力のある鈴木塁人を投入する作戦も考えられる。対して東海大は、出雲で逆転劇を演じた鬼塚翔太というカードを切ってきた。今年の1区は、1万m28分19秒42のムソニ・ムイル(創価大)が全日本大学選抜の1区に配置されており、ハイペースになることが予想される。鬼塚は5000mで13分38秒58のタイムを持つスピードランナー。東海大に優位な展開になりそうだが、2区の戦いを考えると、青学大に先着するだけではいけない。できれば30秒以上のリードを奪いたいところだ。

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