「福岡国際を日本記録で走れば...」。夏場に追い込んだ神野大地の自信 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 これで42.195kmは3回目です。最初走った時は足が動かなくなるかもしれないという不安があったんですが、レイヤーを前日にしていなかったのでいい状態で走れました。2回目はレイヤーをやった後、平坦なコースを走り、今回、レイヤーをやった後に坂のあるきついコースを走りました。徐々に状況が厳しくなる中で42.195kmを走り切っているので、確実にレベルアップしているのを実感しています」

 神野は、70km走の時も42.195km走もそうだが、前日にレイヤートレーニングをして自分を追い込み、疲労の蓄積がある悪条件の中で走っている。筋肉痛で坂を登るのさえしんどい状況で走ることに意味があるという考えだ。自ら「センス型」ではないというだけに、苛酷な状態での豊富な練習量が神野のランナーとしての生命線になっているのだ。

「センス型の選手って練習が60%、でもレースは120%でいける感じになるんですけど、僕はいい練習ができて、これだけやったんだという自信を持ってスタートラインに立てた時、いい結果が生まれているんです。もちろん練習イコール試合じゃないというのがマラソンにはあるので、そういう怖さはありますが、練習で追い込んでいけば、試合の時にラクになるじゃないですか。調整して、いい状態でスタートラインに立つのは試合の時だけでいいかなと思っています」

 本番で結果を出すには、試合に合わせた調整方法、ピーキングが重要になる。大事な大会にピークを合わせるのが非常に難しいわけだが、神野はそういう部分にこだわりはあるのだろうか。

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