【月報・青学陸上部】箱根で勝つのに必要な4年生の調子が上がらない (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun  photo by Nikkansports/AFLO


 山田は、「スピードがないので、長い距離で勝負したい」というタイプ。ハーフマラソンは自らが思い切り勝負できるレースで、箱根では9区を希望している。結果を出せば、箱根を争ううえで優位に立てるが、記録は1時間08分13秒で31位に終わった。汗にまみれ、ちょっと落胆した表情を浮かべ、足早に青学の待機場所に戻っていった。

 トップは大会新記録の1時間02分38秒で優勝したサイモン・カリウキ(日本薬科大)で、この暑さの中での好記録に日産スタジアムがどよめいた。

 下田は暑さにもめげず2位(1時間04分14秒)でフィニッシュした。ケニア人の超人的な走りには負けたが、走り自体は力強さが宿っており、ようやく調子が戻ってきたようだ。今シーズンはいいスタートとなった。

 箱根では8区を走り、7区・田村和希が失ったタイムを挽回し、3連覇に大きく貢献した。

「最後にようやくチームに貢献できてよかった。やっとゆっくり眠れます」

 弾けた笑顔が印象的だった。調子が上がった状態で箱根を終え、マラソン合宿へ。2月の東京マラソンでは昨年以上のインパクトとタイムを残してくれるのではないかという期待が膨らんだ。しかし、1月末の都道府県対抗男子駅伝で膝を故障し、最終的に東京マラソンの出場を断念。リハビリに専念し、ようやく走れるようになったのが3月末だった。そこから急ピッチで調整し、関東インカレに間に合わせてきた。

「ここまで100%ではないですし、5000m、1万mでは勝負できないけどハーフだったら勝負できるところまで仕上げてきて、結果を残すことができた。今日の走りもまだ100%ではないですけど、80 %は戻ってきているので、これから気合いを入れて走り直して、夏につなげていければいいですね」

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