あの旭化成陸上部にケニア人が加入。72年目の改革断行はなぜ? (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

これからの成長に期待がかかるアブラハム・キャプシス・キプヤティチこれからの成長に期待がかかるアブラハム・キャプシス・キプヤティチ「最初はどちらかひとりと思っていましたが、面接をしたあとで日本の生活に慣れていない面もあるから、ふたりとも採るのがベストではないかということになりました。力的には成長途上のキプヤティチの方があるかもしれませんが、キプケモイはベテランで非常にプロ意識が強い選手だから、いい組み合わせだと思う」と坂本常務は言う。

 さらにケニア人担当コーチとして、愛三工業の監督も務めた仙台勇を採用した。

「今いるスタッフがふたりに付きっきりというわけにはいかないので、朝練習から夕方の練習だけではなく、日頃の食事などいろいろと面倒を見られる専従コーチがいた方がいいだろう」(宗猛)という理由からだ。

「外国人がひとりいるか、いないかがニューイヤーの勝ちをすべて左右するという問題ではない、というのはみんな分かっています。ただ、鎧坂哲哉も外国人区間を走りたいと言って入ってきて、それを楽しめればいいですが、実際には1分以上のハンディキャップになっていたのは確かだし、駅伝は流れもあるので......。その意味ではハンディキャップがなくなれば勝てる可能性が高くなるということだし、選手自身も練習で彼らから学べることがある。その点では、かなりの選手は外国人選手の入部を肯定的に考えていると思う」

 坂本常務がこう話すように、選手自身も外国人選手の加入を意識し、それをモチベーションにもしていた。

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