今回の箱根は2区で消えない。上武大・近藤監督が描くシード権獲得への戦略 (2ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro


 また、前回大会で6区を走った馬本匠(4年)は予選会のメンバーから外れたが、ここにきて状態も上がってきた。夏前から故障で戦列を離れているスピードランナー、井上弘也(2年)が間に合わなかった点は残念だが、ほぼ近藤監督のイメージ通りのオーダーが組めそうだ。


 駅伝の鉄則は序盤で出遅れないこと。シード権を狙う上武大は上位争いに加われずとも、常に10番手争いの中でレースを進めたい。ただ、過去8回の箱根を振り返ってみると、2区終了時点で上武大が10位以内につけた大会は1回のみ。最下位に終わった昨年も、2区終了時点で19位に沈んでいる。各大学のエースクラスが集まる序盤の2区間で、中位に食らいつけるかが最初の関門となるだろう。

 そこをしのぎ、5区への中継まで10位前後をキープできれば、山上りには森田清貴(4年)がいる。前回も5区を走って区間9位。今季は関東インカレ2部ハーフマラソンで5位に入るなど、走力は確実に上がった。上武大にとって今回の5区は、自信を持って他大学と勝負できる区間だ。

「2区の東はすでに決まっていて、本人も万全の準備ができています。1区も主力の中から最も調子のいい選手を使うつもりです。できれば5区には10位以内、悪くても10位と1分30秒差でタスキを渡せればと考えています。そして森田には区間賞を狙うつもりの走りを期待しています。それだけの走りができれば、復路にはいい形で入れるはずです」

 復路も前回6区を走った馬本を筆頭に、中堅クラスが多く控える。今季はチーム内での12、13番手までの実力差が小さく、本番直前で調子のいい選手をチョイスできる点も好材料だ。

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