マラソンより複雑?箱根のスターがひしめく陸上長距離リオ代表争い (4ページ目)

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO

 そんな「新たなライバル」を迎え撃つ、有力選手たちの状況はさまざま。大迫は体調不良で3月の世界室内選手権をキャンセルしたが、その後は順調に練習ができているという。5月に米国の1万mレースで日本記録の更新と派遣設定記録突破を狙い、日本選手権に臨む構えだ。

 故障から回復した鎧坂は、兵庫リレーカーニバルで1500m、織田記念で5000m、ゴールデングランプリ川崎(5月8日)で3000mに出場予定。村山兄弟はともに仕上がりが遅れている。弟の村山紘はゴールデングランプリ川崎の3000mにエントリーしているものの、日本選手権に照準を絞ることも考えているという。兄の村山謙も東京マラソンを走った疲れが残っており、日本選手権のみの一発勝負に出るようだ。

 村山兄弟以外の旭化成勢では大六野秀畝が好調で、代表争いに絡んでくるだろう。佐藤悠基(日清食品グループ)は4月24日のロンドンマラソンに出場するが、日本選手権の参戦にも意欲を見せている。2011年から日本選手権1万mを4連覇した勝負強さを発揮するかもしれない。

 マラソンの代表選考よろしく、5000mと1万mの代表決定までの道のりもなかなかにややこしい。しかし、選考基準を理解することで、「一発勝負」では見られない各選手の戦略の違いを楽しむことができるはずだ。

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