【陸上】日本短距離界に大きな刺激。桐生祥秀vs山縣亮太が生み出す力。 (4ページ目)
9秒台はもう当然のものとし、そこから先の世界で競り合っていきたい。そう思うからこその「先に9秒台を出したい」という発言なのだ。山縣はゴールデンルーキー・桐生の出現によって、自分の日本のエースとしての立場を、より明確に認識したといえる。
日本選手権初出場で注目されて疲労やプレッシャーもある中でも、桐生は決勝で予選よりタイムを上げるという非凡なところを見せた。そんな桐生ショックは、今回も他の選手に刺激を与えていることを証明した。100mでは年上の高瀬や塚原も緊張を強いられる決勝で、敗れたとはいえ予選よりタイムを上げていた。また200m決勝でも、20秒31で優勝した飯塚翔太(中大)を筆頭に、5位の高平慎士(富士通)までが20秒52のA標準記録を突破する、極めてレベルの高いレースをしたのだ。
10日の世界選手権代表発表を前に、A標準突破で日本選手権優勝という条件と、派遣設定記録(10秒02)突破で日本選手権入賞をという条件をクリアして代表を決めた山縣と桐生。これから続くだろうこのふたりの競り合いは、他の選手の意識改革まで促し、日本男子短距離のレベルアップの原動力となるはずだ。
4 / 4