37歳でも「年々テニスはよくなっていると確信」。国枝慎吾が世界1位を維持できる秘訣 (2ページ目)

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by KCS/AFLO

 国枝は、現在も世界のトップレベルで戦えているモチベーションを次のように語る。

「トップにいられる秘訣としては、僕自身も年齢に抗いながら、もがき続けているということが一つ要因としてあると思います。2年前、3年前と違うテニスをしていると思うし、負ける度に何かを変えようとして取り組んでいる。例えば、3カ月ぐらい大会に出ていない時は、(ツアーに戻った時にいい意味で)国枝変わったなと思ってもらえるようなパフォーマンスを続けたいと思っています。

 時には悪い意味で変わってしまうこともあるんですが、周り道でも、最終的には必要になることもあるので。いろんな回り道、寄り道をしながら自分自身の正解を求めてやっている。それを十何年も続けて来たし、続けられるモチベーションがあるということが、何よりかな。それだけ楽しいツアー人生を送っているなと思います」

 国枝が、初めて世界ナンバーワンになったのは、2006年10月。その後、2度の右ひじの手術を受けて、世界王者から何度も遠ざかる紆余曲折があったものの、2020年1月から再び世界1位に返り咲き、現在も維持している。

 2020年1月に開催された全豪オープンでの優勝は、2018年全仏オープン以来のグランドスラム優勝となり、王者国枝の復活を印象づけた。

 手術した右ひじへの負担を減らすために、2017年頃からバックハンドストロークの大幅な改良に取り組み続けていた国枝は、2019年7月にグリップの握りを変更して、より攻撃的なフラット系ショットの習得を目指した。

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