上地結衣、強化した秘策が成功。緻密な作戦も功を奏し全豪OPを制す (5ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 植原義晴●写真 photo by Uehara Yoshiharu

 新たな挑戦には、リスクもつきものだ。前に出た時にボレーをするのか、ドライブボレーにするのか、フォアで取るのか、バックで取るのか、複数の可能性から瞬時に最適なプレーを選択しなければいけない。考える前に体が反応し、それで相手にプレッシャーをかけられるようになるのが理想的だ。上地は「そこにいくには、もう少し経験の積み重ねが必要」と話しており、強化を継続していくつもりだ。

 4年前のリオパラリンピックでは、シングルスで銅メダルを獲得した上地。地元開催となる東京大会では、金メダル獲得が期待されている。「もちろん、今年の目標はパラリンピックです。でも、金メダルのために準備をするというより、みんなに勝って、一番上にいきたいという気持ちが強い。このあとのグランドスラムでも成績が残せたらパラリンピックにもいい影響が出ると思うので、一つひとつ戦っていきたいですね」

 今季を最高の形でスタートさせた25歳。グランドスラムはもちろん、東京パラでの活躍も楽しみに待ちたい。

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