2019.12.14

車いすバスケ男子日本代表が
強豪国に勝利。東京パラで呪縛を解けるか

  • 斎藤寿子●取材・文・写真 text&photo by Saito Hisako

 11月29日~12月7日の9日間にわたって、タイ・パタヤで行なわれた車いすバスケットボールの「アジアオセアニアチャンピオンシップス(AOC)」。及川晋平ヘッドコーチ(HC)率いる男子日本代表は、予選リーグ1位通過を果たしたが、決勝トーナメントでは準決勝、3位決定戦で敗れ、4位という結果となった。

インサイドの攻防を制しリバウンドを獲得して、オーストラリアに勝利した日本 しかし、今大会の予選では世界3位のオーストラリア、同4位のイランを撃破し、日本の実力が世界トップレベルにあることを証明した。そこには、新たな強みを手にした"及川ジャパン"の姿があった。

 日本代表の最大の使命――。それはオーストラリアとイランの2強を破ることにあったと言っても過言ではない。

 昨年の世界選手権で、ベスト4以上を狙った日本は、予選で当時ヨーロッパ王者のトルコを撃破。決勝トーナメント1回戦で負けはしたものの、リオデジャネイロパラリンピック銀メダルのスペインと競り合い、わずか2点差という接戦を演じた。さらに9、10位決定戦では、リオで敗れたオランダから勝利を挙げ、日本はヨーロッパの強豪と遜色ない実力があることを示した。

 しかし、結果は9位。前回の世界選手権、リオと続く"9位"の呪縛を解くことはできず、順位だけを見れば"停滞"ととられても仕方がなかった。

 その印象を打破すべく臨んだ2カ月後のアジアパラ競技大会では、イランとの決勝で敗れ、世界トップクラスにある実力を結果で示すことはできなかった。そのため、東京パラリンピックに向けて最後の公式戦となった今回のAOCが、実力を示すラストチャンスでもあった。

 予選リーグの初戦、地元タイに64-37で圧勝して、好発進した日本は、第2戦で最初のヤマ場、イラン戦を迎えた。オールコートのマンツーマンでのプレスディフェンスでイランの攻撃の芽を摘んだ日本は、第1クォーターで19-12とリードを奪った。さらにハーフコートのディフェンスに切り替えた第2クォーターでも36-22と試合の主導権を握ると、第3クォーター以降はさらに引き離し、71-51と下馬評を覆す大差での勝利を挙げた。