2019.11.18

「ユニバーサルリレー」って何だ? 
多様性を象徴する種目の魅力とは

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

 東京パラリンピックの出場枠もかかったパラ陸上の世界選手権が11月7日から15日まで、アラブ首長国連邦・ドバイで開催された。14日には、注目の新種目「4×100mユニバーサルリレー(UR)」が大会史上初めて行なわれ、大きな盛り上がりを見せた。障がいの異なる男女4選手がつなぐ、多様性に富んだレースは、「ザ・パラスポーツ」ともいえる魅力と可能性にあふれていた。

非常にタイミングが難しい、立位の選手と車いすの選手のタッチ URは「視覚障害」「切断・機能障害(立位)」「脳性まひ(立位)」「車いす」の障がいカテゴリー順にトラック1周(400m)をリレーする。男女2人ずつなら、どのカテゴリーに起用してもよいが、各カテゴリーで最も軽度な障がいの選手は4人のうち2人しか走れないというルールもある。

 バトンは使わず、手や背中にタッチして次走者につなぐ。陸上競技の中で唯一の国別団体戦であり、今大会の参加国数など条件が満たされれば、東京パラリンピックでも採用の可能性が高く、今大会4位までに入ったチームには同大会の出場枠も与えられることになっていた。

■URの面白さと難しさ

 16チームがエントリーし、14日午前に4チームごと4組に分かれて予選が行なわれた。「東京パラで金メダル」を目標に掲げる日本は、予選2組に登場。ほかに、ロシア、ナミビア(タイは欠場)がスタートラインに並んだ。号砲とともに、1走の澤田優蘭(視覚障害)が塩川竜平ガイドと並び、力強くブロックを蹴ってスタート。軽度弱視の男子選手が単独で走るロシアに先行されるも、塩川ガイドが手を伸ばし、2走の井谷俊介(義足)の手にタッチ。反応よく飛び出していた井谷はスムーズな加速でロシアの女子選手をとらえ、3走の竹村明結美(脳性まひ)にトップでタッチした。

 竹村も懸命な走りで粘り、タッチゾーン内でアンカーの生馬知季(車いす)の背に手を伸ばした。だが、なかなか追いつけない。生馬も一瞬手を緩め、後ろを振り返ったが2人の差は縮まらず、生馬はそのままゴールへ。結局、タッチミスと判定され失格となり、決勝進出を逃した。