深く考える必要なし。車いすテニスの田中愛美は自然体で勝利を飾る (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 こう振り返る田中の武器は、フラット系で低い弾道で放たれる強力なフォアハンドストローク。このショットを駆使して、今シーズンは世界の強豪選手たちと渡り合ってきた。

「もともと、戦略を考えてというタイプではないので(笑)、打てる所に打つというか......。考え過ぎちゃうと、体が動かなくなるので、なるべく頭をクリーンにして、打てるところに自信を持って自分のショットを打つことが一番大事かなと思います。フォアが低く入っていけば、自信になるというか、試合の中でいけるなと思えるので、そこは大事ですね」

 一方、田中のバックハンドストロークは、スライスショットがメイン。ボールが弾むときには、強力なスライス回転によってバウンドが低く滑るので、対戦相手は低い打点で打たされることになり、緩急もつくことでタイミングが取りづらくなる。

「バックのスライスは、自分からしっかり打てれば、相手が攻めづらい球に絶対なると思うので、崩しに使うショットとして使っています」

 田中のツアー転戦に帯同している岩野耕筰コーチによれば、「女子の車いすテニスでは、トップスピンを使って高い弾道で打つのが主流になっている」と言う。

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