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深く考える必要なし。車いすテニスの
田中愛美は自然体で勝利を飾る (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 そのなかで田中のバックのスライスは、相手にとって、低く弾んだボールを持ち上げるようにして打たなければならないので、有効だと岩野コーチは分析する。さらにバッククロスの打ち合いで、スライスを嫌がる相手は、田中のフォアサイドへボールを打つことを余儀なくされ、そうなれば武器である田中のフォアがより生きてくる。

岩野耕筰コーチと二人三脚で世界のトップを目指している岩野耕筰コーチと二人三脚で世界のトップを目指している 田中は、「練習で刷り込まれています」と語るが、刷り込まれるほどの練習量とは、いったいどのぐらいなのだろうか。岩野コーチ曰く、日本女子車いすテニス選手のなかでも、練習量では1番か2番に多いと語り、第一人者の上地結衣(1位/エイベックス)にも負けないぐらいだと胸を張る。

「(田中は)どう自分の好きなショットに持っていくかという練習を、繰り返しやっているので、試合の時は、そんなに深く考える必要はないです。イメージさえ持っていれば、体が自然に動いてくれて、いい結果が出るはずだと信じています」

 また、今年の3月に田中は競技用の車いすを一新している。橋本エンジニアリング特製のマグネシウム車を使用するようになり、通常のアルミニウム車より軽量のため、走りやすくなったと語る。

「一番は軽さが違うんですけど、前まで使っていたものと形自体も違っていて、車体自体が外に張り出しているので、かなりタイヤに重みが乗るというか、しっかりと自分の力を、重さを利用して車体に乗せられ、動きに伸びがあります」

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