知れば知るほど面白いパラバドミントン。魅力は各クラスの工夫や戦術 (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 植原義晴●写真 photo by Uehara Yoshiharu

 次に、遺伝または非遺伝性原因による低身長症の選手によるSS6クラス。SS6の選手は身体が小さく、パワーも少ない。遠心力を使ったショットが打ちにくいため、ラケットのヘッドスピードも出にくい。だがその分、俊敏さを活かしたフットワークでカバー。全面コートの広さを感じさせない動きで、観ている人を魅了する。ラインぎりぎりのショットを飛び込んで拾うといったダイナミックなプレーも、このクラスならではの魅力のひとつだ。

 日本からは唯一、畠山洋平(Tポイント・ジャパン)が出場している。畠山は高校時代の3年間、部活動でバドミントンに取り組んでいた。パラバドミントンの存在を知ったのは2016年のことで、約10年ぶりに練習を再開したものの、「最初は全然動けなくて......」と苦笑いを浮かべる。それから東京パラを狙うため本格的に競技に打ち込む覚悟を決めると、練習に集中できる環境を求めて、アスリート雇用で企業に就職した。

 2017年のペルー国際では、日本人で初めて低身長クラスでメダルを獲得。先月日本で行なわれた国際大会でも、ダブルスで銀メダルを獲得するなど、活躍の幅を広げている。

 畠山によると、低身長のクラスといっても、「子どものまま成長が止まったようなスタイルの選手もいるし、自分みたいに手足が短くてO脚が強い選手もいる」とのことで、障がいの内容や程度、筋力はさまざまだ。

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