【車いすテニス】国枝に続け! リオでメダルを狙う眞田卓の挑戦 (2ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 25歳からはスポンサーを得て、活躍の場を世界に移し始めた。翌年のイギリスの大会で初めて齋田に勝利したことは今でも忘れない。齋田は日本における車いすテニス界のパイオニアであり、2004年アテネパラリンピックのダブルス金メダリスト。

「人間的にもプレー的にもすごく尊敬するプレーヤー」と眞田は語る。そこに、"ライバル"という意識が加わったことで、その後の眞田の成長を加速させたのかもしれない。

 現在、眞田は世界ランキング8位につけている。今年はコリアオープンやヒルトンヘッドオープンで優勝するなど着実に結果を残し、ITF車いすテニスツアーの締めくくりとなる12月の世界マスターズ(イギリス・ロンドン)の出場権を得ている。

 世界のトップ8だけが出場できる大会で、昨年は初出場ながら6位に入賞したものの、「場の雰囲気にのまれた」と悔しさをにじませた。とはいえ、初日から最終日まで毎日世界のトップ選手と対戦するという今までにない濃厚な日々は、眞田に大きな刺激を与えた。「スタミナやメンタルの保ち方が勉強になった。次のステップに自分のなかで切り替わった大会になった。それが今に生きている」と振り返る。

 眞田にとって、今年の世界マスターズはもうひとつの大きな意味を持つ大会になる。というのも、この大会で4位以内に入れば、翌シーズンのグランドスラム初戦となる全豪オープンへの出場がグッと近づくからだ。

「グランドスラム1回戦で勝てば400ポイント。たとえば、スーパーシリーズのジャパンオープンは優勝して600ポイントなので、世界のトップにあり続けるためにはグランドスラムの勝利がどれだけ大事か、ということです」

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