東京パラリンピックに向けて。障がい者スポーツの現状
今から50年前の今日、第2回パラリンピックが東京で開幕した。そんなメモリアルな11月8日に2020年東京パラリンピックに向けた連載をスタートする。この連載では、2020年東京パラリンピックを成功させるために、今の東京または日本は何をすべきか、もしくは何をもって東京パラリンピックは成功と言えるのか、たくさんの方々の言葉を通して探っていきたい。
2012年ロンドン五輪同様、開会式が盛大に行なわれたパラリンピック まずは、NPO法人STANDの代表で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の顧問を務める伊藤数子氏に話をうかがった。当連載の中でインタビュアーとしても登場していただく伊藤氏に、最初は「障がい者スポーツと自らの関わり」を通して見える障がい者スポーツについて語ってもらった。
――伊藤さんが障がい者スポーツに携わるようになったきっかけを教えてください。
伊藤 2003年に金沢で仕事をしていたころ、地元の電動車椅子サッカーのチームをボランティアではなく、ファンとして応援していました。そのチームが、大阪で行なわれる全国大会出場が決まったときに、ある選手が「僕は行けない」と言ったんです。理由を聞いてみると、障がいの関係で行けないということが分かり、その選手に試合を見てもらう方法はないかと模索しました。それが障がい者スポーツと深く関わるきっかけなりました。
――具体的にはどんなことを行なったんでしょうか?
伊藤 当時、大阪の試合会場から携帯でインターネット生中継をしました。1試合中継するのには大きな費用がかかるところを、通信系の企業さんが協力してくれたおかげで中継が実現できたんです。
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