自転車競技を引退しガールズケイリン専念へ 梅川風子は「命を削って走った」経験を糧にGⅠ開催「競輪祭」連覇を狙う
ガールズケイリンへの専念を決断した梅川風子 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る
【自転車競技引退の心境を吐露】
ガールズケイリンのGⅠ開催「第2回競輪祭女子王座戦」が、11月19日(火)から21日(木)にかけて小倉競輪場で行なわれる。
優勝者には年末のガールズケイリン最高峰のレース「ガールズグランプリ」への出場権が与えられるGⅠ開催。昨年は梅川風子(東京・112期)が、自転車競技のナショナルチームとの両立のなかで限られたチャンスを掴みとり、3年ぶりのグランプリへと出場した。
そんな梅川は2024年シーズンに入ってからは特に、パリ五輪出場を目指すため自転車競技に注力。しかしリザーブメンバーとなり本戦への出場は叶わなかった。
それでも悔しさと向き合いながらひたむきに己を磨き続け、9月に行なわれた全日本選手権トラックの女子ケイリンで優勝を果たすと、10月にはデンマークで行なわれた世界選手権のケイリンで決勝に進出。見事5位入着を果たした。そしてこのレースを区切りに自転車競技を引退し、これからはガールズケイリン一本で戦っていくことを決めた。
「ひとつの舞台に向かって注力し続けるのはすごくパワーが必要で、そこに向き合う勇気がなくなってきているという怖さ。(代表選手に)選ばれる、選ばれないというシビアな世界で続けていく大変さ。そして自分の成長の幅。そうした複数の要素があって、どうしても『次のオリンピックまで』という考えに至れなかったので、自転車競技からは引退を決断しました」
引退を決めた心境をそう話した梅川。目標に向かって文字どおり走り続けたここまでを振り返って「やり切ったとは言えない」と悔しさもにじませた。一方で、これからも続く競輪選手としてのキャリアを見据えると、「ひとつの大会(パり五輪)のためにここまで仕上げた経験は初めてで、これから先に生きるいい一年になっているのかな」と前を向いた。
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