2020.07.23

大関・朝乃山に「強い!」と唸った錣山親方。
躍進中の大器に番狂わせも期待

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

元寺尾・錣山親方の『鉄人』解説
~2020年7月場所編

元関脇・寺尾こと錣山(しころやま)親方が、本場所の見どころや話題の力士について分析する隔月連載。新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、夏場所(5月場所)は中止となってしまったが、7月19日から両国国技館で7月場所が開催されている。今回は、無観客で行なわれた春場所(3月場所)と同様、例年とは違った形で行なわれているこの場所の展望をうかがった――。

 およそ4カ月ぶりとなる本場所、大相撲7月場所が7月19日から始まりました。

 新型コロナウイルスの感染が拡大しつつあるなか、春場所(3月場所)は感染拡大防止のため、無観客で開催されました。そして、当初開催予定だった夏場所(5月場所)は緊急事態宣言が延長されたこともあり、開催中止となりました。

 迎えた7月場所。本来であれば、愛知県名古屋市で「名古屋場所」として行なわれる予定でした。しかし、東京から名古屋への大人数での移動、長期滞在などによる感染リスクを避けるため、東京・両国国技館での異例の開催となりました。

 それでも、無観客での開催予定から、定員の4分の1、約2500人のお客さまに来場していだけるようになりました。大相撲らしい風景が少し戻ってきた印象があります。

 ともあれ、部屋を預かる師匠として、ここまでの道のりは険しいものでした。

 春場所では「1人でも感染者が出たら、その時点で中止」という厳しい状況にあったため、若手力士らは手弁当を持って本場所に通いました。移動の際には、公共交通機関の使用も禁止されていました。そうして、なんとか春場所を乗り切って東京に戻ると、4月には緊急事態宣言が発令。みなさんと同様、相撲協会員の不要不急の外出は、原則禁止となりました。

 相撲部屋は団体生活ですから、感染のリスクは普通のご家庭よりも高くなります。ですから、私の部屋でもいろいろと工夫をして、感染予防対策を施してきました。

 まず、朝稽古を2部制としました。約20名の弟子たちが同じ時間に一遍に稽古をすれば、どうしても"密"が生まれてしまいますからね。