スピードスケートW杯初参戦で好成績。新濱立也「エースになりたい」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 こう話す新濱は1000mにこだわった理由をこう説明する。

「元々1000mは得意じゃなくて600mで脚が止まって『もうやめたい』という気持になっていたけれど、今シーズンからは600mのラップタイムもしっかり出せるようになってラストも粘れるようになった。1000mでも戦えるようになったので、500mも1000mも日本のエースとして戦えるようになりたいと思うようになりました。国内の1000mは500m以上に層が厚いから、熾烈な戦いだけどそこでしっかり勝ち抜くというのが今は重要なのかなと思っています」

 2日目の1000mは4種目目だったにもかかわらず、今季急成長した新濱と同い年の山田将矢(日大)を筆頭に4位までが1分9秒台前半の大会新だった。また、そのレースは棄権したが平昌五輪では1500mと共に5位になっていた小田卓朗(水戸開研)もいて1000mは層が厚くなっている。

 この初優勝も「北京五輪で金メダルを獲るための通過点だと思う」と話す新濱はこのあと、2月7日からの世界距離別選手権の500mと1000mに出場し、2月23日からの世界スプリントにも挑戦する。さらに、3月には標高1423mで記録が出やすい高速リンクのソルトレークシティで開催されるW杯ファイナルも控えている。

 そこでは13年に加藤条治が出した500mの日本記録(34秒21)更新とともに、クリズニコフただ一人が出している33秒台にどこまで迫れるかという大きな楽しみが新濱には待っている。

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