シーズン本番。小平奈緒はなぜ結果がいまいちでも前向きなのか? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 シーズンインへ向けては、9月に氷上練習である程度仕上げることを予定していたが、北海道胆振東部地震の影響で帯広のリンクが使えなくなったため、仕上げが1カ月ほど遅れてしまい、現時点では例年の9月末くらいの状態だという。

 そんなコンディションで滑った初日の500mは、2位の髙木美帆(日体大助手)に0秒68差をつけて37秒30で圧勝した。

「先週のジャパンカップから調子を上げたというより、上がってきた感じです。やっぱり体が準備できれば普通に滑れるなというのが今日わかりました。あとは、レースをやりながら『こうしたい』というのが何カ所かあったので、そこを修正できればいいかなと思います」

 コーナリングの感覚をまだ試合では掴めておらず、「五輪の時の滑りにまだ到達していない」と言う小平。だが、「一度つかんだ感覚は体の中に残っているはずで、これから体を作り上げていけば思い出してくると思う」とも言う。そしてそれが「シーズン後半にピタリと合ってくればいい」と落ち着いた表情で話す。

 また、1000mは今シーズン初レースということで、まだレース勘は戻っていなかった。200mを過ぎてから加速しようとした時に少し躓(つまず)いてしまったのが惜しかったと振り返る。

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