クライミング界のスーパースターが語る、日本男子の抜きん出た才能 (3ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文・撮影 text & photo by Tsugane Ichiro
  • 興梠友理●協力 Cooperate by Korogi Yuri

「僕だって日本語をしゃべれないから、言葉の壁があるのは間違いないけれど、日本人クライマーはみんな性格がいいし、トレーニングもがんばっている。日本代表はそれぞれの選手ごとにクライミングのタイプは違うけれど、本当にすばらしい選手ばかりだよ」

 日本人クライマーのクライミングタイプについて、マッコールはどう捉えているのか。

「ココロは背が高くて、ホールドを押さえつけるムーブがうまいけど、僕とはちょっとタイプが違うよね。どちらかと言えば、僕のクライミングスタイルはトモアに近いかな。僕とトモアは背の高さが同じくらいだし、フィジカルの部分でも似ていると感じているよ。僕も彼もランジが得意で、足を切る(壁から足を離すこと)ことが多いのも似ているね。

 だけど、決定的に違うのは、トモアはコーディネーションがすごくうまい。そこは僕がもっと練習すべきところだね。それから、トモアが得意な課題に向かうとき、彼はいつも自信がみなぎっているんだよ。そういう部分を僕は取り入れたいなと思っているんだ」

 9月10日から始まるオーストリア・インスブルックでの世界選手権に、マッコールは前回大会王者としてコンバインドにも出場する。東京オリンピックに向けてコンバインドの強化をする日本山岳スポーツクライミング協会は、国内初のコンバインド大会『第1回コンバインド・ジャパンカップ』を6月23日~24日に岩手・盛岡で開催する。そこに臨む日本人クライマーのために、コンバインドを戦ううえでのアドバイスをもらった。

「やっぱり大事なのは、楽しむことだね。僕はスピードがそんなに速くないし、世界王者になるための最低限のタイムしか持っていないんだ。きっと日本人の選手のなかには、僕よりも速く登る選手がいると思うよ。だから、まずは楽しんでやってもらいたいな」

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