初勝利は「韓国+北朝鮮」戦で。スマイルジャパン、次こそ爆発するか (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao エンリコ/アフロスポーツ●写真 photo by AFLO SPORTS

 1点目は右サイドから振り向きざまにGK藤本那奈(28歳、ボルテックス札幌)の肩口を抜かれるベンツの技ありゴールだったが、2点目はFW大澤ちほ(25歳、道路建設ペリグリン)の積極的なチェイスから日本のチャンスになりかけたところで、ベンツに入れ替わるようにDFの背後を取られ、GKとの1対1を決められた。

 ベンツはこの日、シュート4本で2点と高い決定力を見せたが、まさにその存在が両チームの差だったともいえる。

 日本はスウェーデン戦の敗戦を受けて、このスイス戦はどうしても勝利が必要だった。先制されたあとの第2ピリオドはその焦りが出てしまったのか、攻守にバタつく時間が続いた。

 2点を追う第3ピリオド。日本は42分12秒でパワープレーとなり、反撃のチャンスを得たが、中村亜美(30歳、SEIBUプリンセスラビッツ)が右サイドから放ったシュートはわずかに左に外れる。すると直後の44分27秒、カウンターからアリナ・ミュラーに3点目を決められ万事休した。

 47分33秒にはDF堀珠花(25歳、トヨタシグナス)の浮き球のシュートにゴール前で久保がうまく合わせて1点を返し、その後もパワープレーのチャンスがあったは生かせなかった。

 シュートはスイスの18本に対し、日本は38本と倍以上。しかし、FW床秦留可(とこはるか/20歳、SEIBUプリンセスラビッツ)らが「大きいのに、反応も速い」と語っていた前回大会MVPのGKフローレンス・シェリングからは1点を奪うのがやっとだった。

 唯一のゴールを決めたFW久保は「序盤のチャンスで決め切れていれば......」と、第1ピリオドから試合を優勢に進めながら、そこで点が奪えなかったことを悔やむ。

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