高梨沙羅、3戦目でようやく3位も、ライバル出現に「ワクワクする」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 その微妙な狂いが、開幕戦でも出てしまった。

「昨日(の公式練習と予選)はアプローチでRの通過がうまくできず、その反動で踏み切る時に上半身を使うような感じになっていたけれど、そこは修正できたと思います。でも、1本目のテイクオフへの仕掛けが遅れてしまい、あわてて立ったので上半身が跳ね返ってしまうようなジャンプになり、空気抵抗を受けて減速しました。2本目はそこを修正できたけど、やっぱり1本目の名残もあってバランスの悪いジャンプになってしまいました」

 こう話すように1本目は93mで4位。追い風が強くなった2本目は89mを飛んだが、1本目3位のカリナ・フォクト(ドイツ)に0.2点届かず4位。2012年以降、5年連続で上がっていた開幕戦の表彰台を逃してしまった。

「明日はGを意識するのではなく、一連の動作の中でスムーズに(助走路のRを)通過できるように全体の流れを意識したい」と話して臨んだ第2戦では、1本目に94.5mを飛んで3位につけた。ところが、2本目は強い追い風の中で87mしか飛べず、伊藤有希(土屋ホーム)に逆転されて、またしても4位という結果に終わる。

「助走姿勢を自分のポジションに落とすことができれば、ジャンプ台のどんなRでも超えられるので、そこでしっかりGを感じられるか、感じられないかがカギになると思います。その点で今回は、このジャンプ台に適応しきれずに終わってしまいました」

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