スポーツ心理学者に聞く「選手に自信を持たせるためにやるべきこと」 (2ページ目)

  • 大地功一●取材・文・写真 text&photo by Oochi Koichi

 もちろん、指導者が何でも褒めればいいわけではありません。成長をきめ細やかに見ることが大切。昨日よりも身体の使い方が上手にできていたら、前よりよくなったね、でも身体の角度をこう変えたらもっともうまくいくよ、というような指導が褒めることなのです。

 さらに、褒めたからといって、その動作を再度繰り返せるとは限りません。選手としては、条件、状況は違うので、もう一回やりたくてもできないことが多い。そこで指導者は、選手の成長を見ながら、プレーがうまくいった、コントロールが上手にできたなどレベルに応じて評価したり、あるいはスムーズにいかなくても取り組もうとした勇気を讃えたりと、褒めるにしても"ポイント"に気をつけること。子供から大人まで、日本代表レベルでもそうですよ。

 自信があるのか、ないのか、それは本人にしかわからないので、私なら、まずはそれを選手に聞きますね。本当に自信がないのか、ただ単に自信がなさそうに見えるのか。だいたいは、本人も何に自信がないのかわからないんですよ。気づいていないので、どこに自信がないのか聞いてあげる。自信とは大雑把な概念なので、具合的に試合や練習のどの場面に対してなのか、あるいはスキルに対してなのか、それとも誰かとコミュニケーションを取ることなのか、を確認していきます。

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