「こんな接戦は初めて」と言いつつ、ツール圧勝のフルームが強すぎ! (2ページ目)

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki
  • photo by AFLO

 トーマスは第4ステージまでマイヨ・ジョーヌを着用するが、最大斜度20%の激坂に駆け上がる第5ステージでイタリアチャンピオンのファビオ・アル(アスタナ・プロチーム)がアタック。この優勝候補の動きにフルームが反応しないわけはなく、アシストのトーマスを置き去りにしてアルを追った。第5ステージはアルが優勝し、フルームは20秒遅れの区間3位。トーマスは大きく遅れたため、フルームはチームメイトからマイヨ・ジョーヌを譲り受けることになった。

「マイヨ・ジョーヌを獲得したけど、本当の戦いはこれから先だ。パリまですべてをコントロールできるとは思わない」と、過去3回の優勝経験があるフルームはその先の激闘を予感していた。

 レースはピレネーの第12ステージで動いた。AG2R・ラ・モンディアルのロマン・バルデ(フランス)がこの山岳ステージを制するのだが、18秒遅れの総合2位につけていたアルが首位のフルームに20秒差をつけたことと、区間3位のボーナスタイム4秒を獲得したことで首位に立ったのだ。

「世界中の自転車選手が憧れるマイヨ・ジョーヌを獲得できた。僕はすでにジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャのリーダージャージーを持っているが、それにも増してうれしいものだ」と語るアル。

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