桃田賢斗は生まれ変わったか。謹慎中に考えたこと、取り組んだこと (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO

 勝因は18-16になったところで、今回のベストショットといえる、しっかり身体を入れてタメを作れるスマッシュを打てたところ。今まではテクニックで勝負していましたが、決めるだけではなく相手のミスを引き出すようなプレーができるようになったのはひとつの成長かなと思うし、自分の戦い方がひとつ増えたのは強みになると思う」

 対戦した武下も「桃田は動きのキレとラケットワークがすごい選手だが、スピードとスタミナ面に穴があった。だが今回は、最後までスピードが落ちなかった」と評価する。

 決勝の相手は、2014年のトマス杯(世界男子バドミントン選手権)で一緒に戦い、日本が史上初の優勝を勝ち取ったときのチームメイトの上田拓馬。第1ゲームは「自分らしい積極的なプレーができた」という桃田が序盤で大きくリードして21-13で取ったが、第2ゲームになると「1ゲーム目は簡単に負けたので、このまま負けるわけにはいかないと思い、相手の動きを見ながら反対側に球を返してタイミングをずらすようにした」という上田が21-14で奪い返した。

 そして迎えたファイナルゲームは、序盤から競り合ってお互いが主導権を握ろうとする戦いになった。13-14から桃田が3連続得点で16-14にすると、今度は上田が4連続得点で18-16と2点リードする。だが桃田は、そこから4連続得点でふたたび逆転。最後は1点差まで迫られながらも上田のミスを誘い、21-19で復帰戦の優勝を決めた。

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