平昌五輪出場ならず。ミックスダブルスカーリングの今後はどうなる? (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

「基本的には、4人制とミックスダブルスの風通しをよくしていこうと考えています。今回の"チーム阿部"の挑戦は、従来のミックスのペアにも大きな刺激を与えてくれたでしょう。世界と戦えるチームを作るため、今回の(4人制の選手がミックスに出場するための)推薦枠設置という方法も含めて、最善のシステムを構築していきたい」

 その一環として、まずは9月にニュージーランドで開催されるウィンターゲームスに強化指定ペアを派遣する方針だ。その他にも「積極的に海外のボンスピル(大会や試合)に参加できる環境を整えていきたい」と、柳委員長は語る。

 今回の阿部&小笠原ペアの敗退は残念だったが、日本選手権を制した彼らが負けたのであれば、それが今のミックスにおける日本カーリング界の"現在地"であることは、誰も否定できない。しかしながら、技術や経験において国内トップクラスのカーラーペアーが世界に挑み、そこで世界との距離感や不足部分、ミックスの戦術や必要なショットの情報を得た。さらに、彼らのようなスター選手が出場することによって、メディアも動き、周知や普及といった役割を果たしてくれた。その価値は計り知れない。

 2カ月限りのペアであったが、彼らが体感し得たものを、彼らはもちろん、協会が強化案としてきちんとフィードバックしていくことが大切である。今回の挑戦が、2022年北京五輪に向けて有意義なものになることを切に願う。

■冬季競技 記事一覧>>

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る