4日で5種目のタフ娘。オールラウンダーの高木美帆が五輪メダルへ前進 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao/PHOTO KISHIMOTO

 加えて、同走がこの種目でW杯ランキング1位のマリット・レーンストラ(オランダ)だったのも幸いした。500mから1500mまでを主戦場にするスピード型の相手に1100mまで引っ張ってもらう形が功を奏し、逆転となった(レーンストラは4位)。

「タイムも低地ベストを出すことができたし、高地で出した自己ベストにも近いタイムだったのと、3位になれたことはうれしいです。でもそれ以上にレース展開を含め、自分でイメージしたリズムやペース配分を実践できました。なかなか体力が戻ってこないなかでもしっかり気持ちで滑れたし、いろいろレースをやる中で最後までもがき続けた結果かなと思います」

 こう話す高木は、「恥ずかしい話ですが、昨日の1000mを100%で滑ることができなかった分、体が少し回復方向に向かった。昨日起きた時と今日起きた時は体のコンディションも違い、『今日はいける』と思ったので......。1000mを犠牲にしてしまった部分はありますが、1500mで結果を出せたのでよかったと思います」と苦笑した。

 メダル獲得はうれしかった一方で、優勝したヘザー・ベルグスマ(アメリカ)には1秒04差をつけられた結果は悔しかったという。

「表彰台に上がった時に、(1位、2位の)ヘザーとアイリーン・ブスト(オランダ)は、ほかの選手たちと雰囲気が違うので怖さを感じました。でもこのふたりに勝ちたいと思ったし、表彰台の一番上に乗れば違う景色も見えるんだろうなと。この大会ではそういう経験ができたので、これも経験値として積み上げていきたいと思います」

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