命を救う海辺の守護神。ライフセービング女子ユース日本代表・内堀夏怜 (3ページ目)

  • たかはしじゅんいち●文・撮影 text & photo by Takahashi Junichi


 その内堀の憧れの存在でもあり、競技ライフセービングの日本代表として活躍する平野修也も、この競技の魅力にとりつかれたひとりだ。

「早く泳げる人が勝つのではなく、自然の要素も大きく関係するライフセービングという競技は、タイムレースではない面白さがあります。オーストラリアを代表する競泳選手のイアン・ソープ、グラント・ハケットたちも、もともとはライフセービングをやっていたくらい、オーストラリアではポピュラーなスポーツなんですよ」

 平野は東京消防庁の水難救助隊に所属していた元消防士だ。現在は競技者としてライフセービングとフィンスイミングの二足のわらじを履き、いずれも日本代表に選ばれている。猛然と砂浜を走り、波の中を巧みに泳ぎ、サーフボードで力強く波を越えていく彼の身体能力には自然を相手に生きる凄味がある。

「ほぼ毎日練習して、練習していないときも、ライフセービングの仲間と海で遊んでいます。趣味はサーフィン(笑)。基本的に毎日トレーニングをしているので、トレーニングをしていない時間は海で遊んでいるか、体を休めることにしています」
 
 普段から海の近くで生活する「海っ子」の平野は、オランダで開催されたライフセービング世界選手権2016 で3つのメダルを取り、2017年に行なわれるワールドゲームズの出場を決めている。

「目標にしていたワールドゲームズの出場権は手に入れました。今後はライフセービングでも、フィンスイミングでも、もっとパフォーマンスを上げて、世界と戦える力をつけていきたい。全体の底上げをするには水泳で速くなることがキーポイントになると思っています」(平野)

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る